「最凶ストーカー~粘着ブス女の呪詛~」という北上祐帆先生の漫画を読みました。
タイトルも強烈ですが、内容も実に強烈な漫画でしたよ。
「最凶ストーカー~粘着ブス女の呪詛~」のあらすじ
「蛍姫」(ホタルヒメ)とあだ名される「粘着ブス女」に付きまとわれている永二。
彼女のせいで永二は、引越しを3回、転職も3回余儀なくされていた。
毎日届くラブレターに脅迫めいた留守番電話、警察に相談しても、ちょっと注意するだけで何の解決にもならない。
まさに「最凶ストーカー」に魅入られてしまったのである。
ある日、永二の婚約者・美沙は、いくら電話しても留守電にしかならないことを心配し、永二の自宅を訪ねる。
そこではやつれた永二が床にふせっていた。
永二の会社に「蛍姫」が押し寄せ、社員一人ひとりに自分が婚約者であると挨拶して回ったことを知り、永二はなかばノイローゼになりかけていたのだ。
思い余った永二と美沙は、「蛍姫」を殺害することを決心する。
そして、2人で協力して、見事、計画を成功させたのである。
「蛍姫」のストーカー行為がなくなった2人は、入籍し幸せな生活を送っていた。
しかし、美沙の身体に異変が・・・。
美沙の胸に蛍姫の人面疽が浮かび上がったのだ・・・。
そこから2人は、どん底へと堕ちていく。
「最凶ストーカー~粘着ブス女の呪詛~」を読んだ感想
「最凶ストーカー~粘着ブス女の呪詛~」って、とてもインパクトのあるタイトルです。
これを見ただけで「最凶ストーカー」の「粘着ブス女」が呪詛するって一体、どんなの?と、ものすごく気になりますよね。
「ブス」という単語をタイトルにドンと出すというのも、なんかスゴイなって思いますし。
で、読んでみたところ、予想以上に強烈だったんですよ、これが。
まずは、「蛍姫」のイケメン永二への付きまとい方がハンパじゃなく気持ち悪いのです。
毎日、送り付けてくる手紙の内容やら、永二と美沙の”営み”を覗き見することやら、常軌を逸しているんですよね。
しかも、「蛍姫」のストーカーぶりは、それだけではありません。
殺されてもなお美沙の身体に乗り移ってまで付きまとうのです。
人前で変態行為をするばかりか、やがて、人面疽になって浮かび上がってくるのです。
そして、ついには永二の身体にまで異変が起きて・・・。
「最凶ストーカー」とは、こういうことだったのか・・・と、妙に納得がいきました。
「最凶ストーカー~粘着ブス女の呪詛~」は、冷静に考えれば、本当に恐ろしい話なんですよね。
もともと永二は何も悪いことをしていないのに、粘着質の女に一方的に好かれて、とんでもないストーカー行為をされ続けるわけですから・・・。
人生をボロボロにされて、悲劇以外の何モノでもありませんよね。
しかし! 物語の終盤では、「最凶ストーカー」のストーカー行為が、エスカレートしすぎます。
それが、絶対にありえない話だけに妙におかしくて・・・、逆に笑ってしまうんですよね。
「最凶ストーカー~粘着ブス女の呪詛~」は、ホラーでありサスペンスでもありますが、ギャグの要素が一番強いかもしれません(笑)。
「最凶ストーカー~粘着ブス女の呪詛~」の他の作品
ちなみに、「最凶ストーカー~粘着ブス女の呪詛~」には、表題作とともに、
- 自分とそっくりの存在が、知らないうちにとんでもないことをやっている「ドッペルゲンガー」
- 全く違った人生を歩んでいた双子の姉妹が、互いの生活を入れ替える「もう一つの人生」
- 若年性認知症となった主婦とその家族を描いた「家族の残像」
の3つの短編も収録されています。
それぞれ、短いながらも読み応えのある作品ばかりですよ。
もちろん、一番強烈で一番おすすめなのは「最凶ストーカー~粘着ブス女の呪詛~」ですけど(笑)。
怖いし、気持ち悪い、だけどなんか笑ってしまう・・・、そんな漫画を楽しみたい方、ぜひ一度。
おすすめですよ。