「花園メリーゴーランド」のあらすじとネタバレ・感想。山間の集落に残る性の風習に翻弄される少年

 

吊り橋を渡ってたどり着く山間の集落。

その村では「貞操」という考え方が現代と違ったものであり、年頃となった男女は、年長の異性から性の手ほどきを受けるという風習が残っていた・・・。

 

柏木ハルコ先生の漫画「花園メリーゴーランド」は、明治以前、庶民の間で一般的であった「開放的な性の風習」がいまだに残っている村落を舞台に、ひとりの少年が翻弄される様子を描いたものです。

 

こちらでは、「花園メリーゴーランド」のあらすじとネタバレ・感想をお届けします。

 

花園メリーゴーランド

「花園メリーゴーランド」のあらすじ

主人公・相浦喜一(あいうらきいち)は中学3年生の男の子。

先祖代々伝わる刀「烏丸」を探すため、春休みを利用して父親の故郷・谷竹村へ向かいます。

 

バスで寝過ごしてしまった彼は道に迷ってしまい、途方に暮れながら夜道を歩きます。

そこに同い年くらいの女の子・澄子がバイクに乗って通りかかり、彼女の家に連れて行ってもらうことに。

 

澄子が住んでいる集落は、柤ヶ沢(けびがさわ)という村。どことなく不気味な雰囲気の漂うところです。

 

澄子の家で家族と夕食をとった相浦は、明るく気さくでとても美人なおかあさん「みづえ」から、サクラタケという名のキノコを勧められます。

↑ みづえさんです ↑

 

その夜、相浦の部屋に電気スタンドを持ってやって来たみづえは、スケスケのネグリジェ姿で、しかも、ノーブラだったのです。

 

ドギマギして、ちゃんと眠れなかった相浦に、翌朝、澄子は宿帳とともに宿泊代として4,500円を請求します。

相浦は気付かなかったのですが、澄子の家は「まさがや」という名の民宿だったのです。

 

代金を支払おうとするも、迷っている最中に財布を無くしていた相浦は、親に郵便でお金を送ってもらうことに。

お金が届くまで柤ヶ沢で生活することになります。

 

村で話しかけてきたちょっと怖い感じのおばさんたちは、相浦に

「サクラタケは食べたのか?」

と質問し、意味深に笑うのです。

 

そして、おばさんたちの家にお邪魔することになった相浦は、そこで、からかい半分で襲われそう(エッチされそう)になります。

さらに、民宿に戻った相浦に「何かされたのか?」と心配してきたみづえなんですが・・・、突然、欲情して相浦に襲いかかってきたのです。

 

次々と相浦に襲いかかってくる大人の女性たち

柤ヶ沢の大人たちは性に対してやたらとオープンで、性交渉のハードルがとても低いのです。

さらに、柤ヶ沢には様々な性的な風習が残っていたのです・・・。

 

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「花園メリーゴーランド」のネタバレと感想

「花園メリーゴーランド」は、相浦と澄子のラブストーリーという面もありますが・・・、やはり、村落に残された性的な風習を描いたものと言えるでしょう。

 

初めのうちは性交渉はオープンに描かれるものの、相浦に対して秘密にしようとする様子が増えていくのですが、その裏には、村に残されたいくつもの性的な風習があったのです。

 

明るくやさしい見るからに「良いお母さん」であるみづえが、子どもたちと一緒に暮らす家の中で、何度も相浦に襲いかかってきたのは、実は柤ヶ沢には、

33歳の大厄の女性は、若い男性と性交渉して厄を落とす

という風習があったから。

 

あるいは、相浦は「部屋から出るな。窓から顔も出すな」と命令されます。

しかし、澄子がキレイに着飾って出かけていくのを、つい追いかけてしまった彼が見たのは、澄子が「大人になる儀式」でした。

おそらく、澄子は高校1年生ではないかと・・・。

 

ショックを受けた相浦が立ち寄った公民館では、また別の儀式がとり行われていたのです。

それは、男の子たちが「大人になる儀式」

おばちゃんたちから、男女の行為を教わる言わば性教育の場だったのです。

しかも、相手を決めるのは「あみだくじ」、まさに村の風習として行われていて、本人たちの気持ちや恋愛感情などは一切、無視されています。

この男の子たちは、おそらく中学1年生くらいでしょうね。

こうやって村の男のたちは、「大人」になっていきます。

出典:花園メリーゴーランド

 

さらに、夜這いの風習、そして、クライマックスとなる村祭りのあとの様子などが、赤裸々に描かれているのです。

 

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現代の感覚からすると、俄かには信じがたい風習が「花園メリーゴーランド」で描かれています。

これらは、明治時代になるまで農村などの庶民に中では、あたりまえの風習だったらしいのです。

 

貞操観念が今とは全く違っていたのでしょう。

相浦は、なんだかんだ言いながら結局は、みづえに夜這いをかけるのですが(笑)、その時、

「こんなことして、罪悪感とか・・・ないんですか?」

と質問します。

 

それに対してみづえは、

「おめーも腹減ったらメシ食うべ!!それと一緒!!

単なる・・・生活の一部だっぺ・・・、それだけ!!」

と答えるのです。

そして、

「おかしいかどーかなんて、知ったこっちゃねーべ。

大切なのはそこに住んでる者がそれで幸せかどーかだっぺ。」

とも。

たしかに、そう言われればそうなのかなぁとも思いますね・・・。

 

ただ、全員が全員、この考え方を良しとしているわけではありません。

若い世代や、外の街で暮らしている人は、おかしな風習として嫌っていますし、娘に夜這いをかけられた男性は、ゴルフクラブを持って相手を追い出しにかかります。

みづえのダンナもヤキモチっぽいことを言ったり、澄子に言い寄る奴を懲らしめようとするのです。

 

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◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

「花園メリーゴーランド」で描かれている性的な風習は、読むだけで「絶対、無理」って方もいらっしゃるでしょう。

性的な表現も多めですし・・・。

 

しかし、ここで描かれているのは日本のあちこちで当たり前だった風習で、それを意識しながら読んでいると、本当に不思議な気分になっていきます。

あまり経験することのないこの不思議な感覚、ご興味のある方はぜひ、「花園メリーゴーランド」で味わってみてください。

一読の価値はありますよ!

 

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