「ナナのリテラシー」のネタバレと感想。バカにゲームを売って何が悪い

こんにちは。

今回は鈴木みそ先生の「ナナのリテラシー」のネタバレと感想をご紹介します。

この「ナナのリテラシー」は、いわゆるビジネス漫画で、女子高校生がコンサルタントとして活躍するものです。


ナナのリテラシー

主人公「ナナ」

主人公の「ナナ」こと許斐七海(このみななみ)は、私立暁学園に通う高校2年生の女の子。

ビジネス本を読むのが趣味で、ITリテラシーが高く、「おやじ転がし」が得意です。

「ナナのリテラシー」は、そんな彼女は、学校の職業体験で「プロテクト」というコンサル会社に擬似就職し、いくつかの課題解決に取り組むというものです。

「ナナのリテラシー」のネタバレ

「ナナのリテラシー」は全3巻。

話は大きく分けて、

  1. 不況にあえぐ出版業界の現状と漫画の電子出版化への取り組み
  2. 弱小ゲーム制作会社の生き残り作戦
  3. 作品が「不健全図書」に指定された漫画家

の3つになります。

漫画の電子出版化

漫画の電子出版化(第一巻)では、著者「鈴木みそ」先生が、「鈴木みそ吉」として登場。

氏、自らの体験をベースに、

  • 現状出版社と漫画家のナアナアでズブズブな関係
  • 多くの漫画家の食べていけない現状
  • 漫画家の作品の権利のアバウトさ
  • 作品を電子出版するにあたっての業界の軋轢

といった裏話が赤裸々に描かれています。

ゲーム制作会社の状況

億単位の開発費をかけたハイスペックゲームと、ゲーム市場がガラケーからスマホに移っていくなかでの無料化、課金システム、そして、問題となった「ガチャ」など。

変化の激しいゲーム業界の中で、弱小制作会社の新旧開発者が、社の将来の方向を賭けて、企画の勝負を行います。

「不健全図書」への指定

「売らんがため」で扇情的な内容の漫画が東京都の「青少年健全育成条例」に引っかかり「不健全図書」に指定されます。

それに不満を持った著者・葵ヨーコは感情的になって反撃を依頼してきます。

日本のルール作りと運用の問題点や、規制と役人の天下り団体との関係などが描かれています。

「ナナのリテラシー」の見どころ

「ナナのリテラシー」で、一番、読みごたえがあったのは、第2巻の売れないゲームしか作れない経営者とヒット作品を連発する若手開発者のバトルでした。

両者のゲームとゲームをやる人に対する思いが根本的に違っているのです。

若手開発者は、

  • ゲームをやるのは、馬鹿と暇人
  • バカにゲームを売って何が悪い
  • ケータイゲームは情報弱者の暇つぶし。あいつら基本ヒマだから(中略)どんどん課金する

と言ってのけます。

それに対して、経営者は、

  • (お前のゲームは)人のイヤな部分を刺激するように作ってある
  • 相手を妨害して引きずり落とし、仲間を裏切る行為にインセンティブをつけて
  • 世間の評判を文字通り「買う」
  • ゲームを売る能力は高いかもしれんが、お前の作るものも、お前も人として最低だ

と切り捨てるのです。

この言葉を受けて、若手開発者は、売れるゲームの本質を簡単でわかりやすく中毒性があるものとしたうえで、経営者を「老害」と言ってのけるのです。

このくだりは、そもそもゲームとは何か?を語ったものです。

しかしここには、長らくゲーム関係の漫画を書き続けた作者ならではのゲーム会社に対する批判か、あるいは、ゲーム会社という商売への客観的な分析か、あるいは、現在のゲームを取り巻く風潮に対するジレンマが描かれているように感じました。

あるいは、もしかしたら作者が所属する漫画業界に対する皮肉なのかも、と。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「ナナのリテラシー」は、取り上げたテーマがマニアックすぎて、重苦しくなった感は否めません。

同じ女子高生によるマネジメント?ものである「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」のようなテイストだったら・・・と思いますが、鈴木みそ先生本人の体験談でもある以上、そういうわけにはいかなかったのでしょうね。

しかし、読みどころとして紹介した第2巻は、ゲーム業界に興味がある人だけでなく、社会で働く人にとっても、大いに考えさせられる作品です。

ぜひ、手にとっていただければと思います。

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